「日本いきもの小百科」を読んでいます
2012-11-05


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前回の「植物はすごい」が植物ネタだったので、今回は動物で・・・・と、この本を選びました。この本の著者は、動物学者さんではなく元新聞記者で今フリーライターとのこと。環境問題を中心に取材活動を続けているそうです。そんなこともあって、文中には私たち先進国の人間がいかに動物たちに危害を加えてしまったのかが織り込まれています。たとえば、「ブラックタイガー」の項。スーパーの鮮魚売り場ではおなじみの食材ですが、最近話題になったウナギ同様、養殖のため稚エビを乱獲し問題となった経緯があるとのこと。米国の環境保全団体は「買ってはいけないエビ」に指定、一方でバナメイというエビを自然の海から切り離した「完全循環飼育」を提唱、今ではブラックタイガーの3倍もの生産量になっているのだそうです。古くから自然と共存する生活スタイルだった日本では、近代になってバランスがくずれ、畜産養殖型の西洋と較べて乱獲が目に付く気がします。そんななやましい話題だけでなく、タイトルの先頭に「名前で読み解く」がついているように、この本では70のいきものが紹介されていて、名前の起源からスタートしていろんな逸話や人間との関わりが書かれています。なじみのあるもの、はじめて知るもの、いずれもこの本を読むと愛着を感じることができます。

[本]

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